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やさしい簿記テキスト(コウノトリの簿記)

 「コウノトリの簿記テキスト」は、やさしい簿記テキストで、ブログで書いていたものを、まとめ
たものです。
 ブログでは、過去の日付のものが見にくいので、加藤かんたん会計の利用者の便宜を図り、この
テキストを作成いたしました。ブログ形式ですので、その点をご理解ください。
 ちなみに、「コウノトリの簿記」のネーミングは、作者の生まれがコウノトリの郷の近くだからです。
 なお、このテキストの著作権は、加藤晃三税理士事務所にあります。無断転用を禁じます。
                                              平成23年3月10日  
                                       作成 加藤晃三税理士事務所
加藤かんたん会計教室 はじめに(仕訳)

さあ、今日から簿記教室が始まります。ブログですので硬くならずに、軽い気持ちで読んでくだ
さい。
 簿記には、単式簿記と複式簿記があります。この教室で取り上げますのは「複式簿記」です。
では、複式とは何でしょうか。複写式と似ていますが、コピーではありません。取引を「借方」と「貸
方」に分けて処理することを意味します。次に、この「借方」「貸方」とは何なのかなという疑問がわ
いてきます。この説明は難しいですね。でも、これを理解しないと簿記は分からないのです。
 では、経理をしている人は皆この簿記とやらが分かっているのかな?そうなんです。分かっている
と思いますが、簿記を学習するときに良く使われる言葉があります。「習うよりも慣れろ」 つまり、理
屈をこねるよりも、個々の取引事例で仕訳を覚えていきますと、自然に簿記を習得しているのです。
 これでは、簿記を勉強する励みにはなりますが、「借方」「貸方」の説明にはなっていませんね。
 分かりやすく説明しますと、「借方」は左手、「貸方」は右手と思ってください。携帯電話を6000円で
買い、現金で支払ったという取引があったとします。左手に6000円の携帯電話、右手に現金6000円と
いうように振り分けるのが仕訳です。簡単でしょう。左手も右手も6000円でバランスが取れています。
このバランスが大切なのです。不正防止になります。今日はココまで。

加藤かんたん会計教室 仕訳その2

 今日も開講いたします。昨日は、仕訳の説明の途中でした。借方・貸方を左手・右手に置き換え
るのでしたね。ここで、足を使ってはいけません。2本の手だけです。ですから、左手と右手は同じ
金額しか持てませんから、常にバランスいたします。また、例を挙げます。コンビニに行き、アルカ
リ乾電池を500円で買いました。左手に500円のアルカリ乾電池、右手に現金500円です。左右の
バランスはとれています。取引が、このように左手・右手と分けられることが仕訳を理解する第1歩
です。
 そこで、また例題です。電話料金を8000円支払いました。この場合、左手は「8000円の通信費
(電話代)」で、右手は「現金8000円」です。次に大家さんが家賃の請求に来ましたので、5万円支
払いました。
 これは、左手に「5万円の地代家賃」、右手に「現金5万円」です。全ての取引は、左と右のバラン
スが保たれています。
 今は、1つづつの取引しか例に挙げませんでしたが、次の例では少し複雑です。従業員に給与15
万円と交通費2万円を現金で支払いました。これは、2つの取引が行われました。1つは左手に「15
万円の給与」、右手に「15万円の現金」です。もう1つは左手に「2万円の交通費」、右手に「2万円
の現金」です。
2行に分けて書きます。このような、練習を繰り返してください。これが、簿記は、「習うよりも慣れを」
といわれる所以です。

加藤かんたん会計教室 仕訳その3

 今日で仕訳について3日目の講義です。左手・右手の説明は理解できていますか。今日はもう少
し深く進めます。今までの例示は、全て右手に「現金」でした。これは、それなりに意味があります。
現金は本来(簿記の世界では)左手で保管するものなのです。左手から右手に移るということは現
金が出て行くことを意味します。また、左手は保管だけでなく「取得」も意味します。現金が右手にあ
ることは、現金がそれだけなくなったのです。これと同じ性質の勘定科目には、普通預金・定期預金・
売掛金・未収入金・前受金・建物・工具器具備品・車両運搬具・土地・有価証券・貸付金・繰延資産

等があります。これだけ列挙しますと、「あー、もう退屈」という悲鳴が聞こえてきますが、あなたが
使うのはこの内3つくらいでしょう。簿記の試験を受けるのではないので、自分の使う勘定科目を覚
えたらOKです。上記しました勘定科目を「資産」といいます。資産に該当します勘定科目は、全て左
手で取得・保管します。右手はこれらを相手に渡したり、捨てたりした時に使います。
 今日は、少し難しかったかな。疲れたところで今日はここまで。

加藤かんたん会計教室 資産・負債

 前回は、資産について説明しましたが、ご理解いただけましたでしょうか。資産とは、商売をするとき
の財産のことです。よく使う勘定科目は、「現預金」「商品」です。現預金とは、現金と預金(普通預金・
定期預金・積立預金・当座預金)をまとめたものです。これらは、左手で取得・保管します。これと逆の
ものが、負債(ふさい)です。主な勘定科目は、借入金・買掛金・未払金・未払費用・○○引当金です。
よく使う勘定科目は、借入金です。これは、右手で取得し、保管します。左手は返済時に使います。
資産の勘定科目とは全く逆です。具体例を挙げます。社長は資金繰りが悪くなったので、自分の口座
から100万円を会社の金庫に入れました。仕訳は、左手に100万円の現金、右手に100万円の借入金
です。バランスは、100万円で合っています。自分の口座というのは、社長個人のお金という意味です
ので、ここでは単純に「借入金」と表現してあります。今日は、土曜日なのでココまで。

加藤かんたん会計教室 純資産 

 今日は、日曜日ですが開講いたします。でも、自宅からの配信ですので簡単にいたします。
 今まで、仕訳を通して「資産」「負債」をご説明させていただきました。これは、貸借対照表という大
切な決算報告書の中の1つの項目に該当いたします。この左手表示の「資産」と、右手表示の「負債
」を差し引いたものが「純資産」です。従来は、「資本の部」と表示していましたが、会社法が新設され
ました関係で「純資産」と呼ばれることになりました。純資産の中身も従来と異なりますが、ここでは
省略いたします。 この「純資産」は、右手になります。
 左手・右手を使って、仕訳をご説明していますが、納得していただけましたでしょうか。明日からは、
損益計算書に移ります。これも、決算報告書の大切な1つです。
 今日も、暑そうです。庭の草むしりをしないと荒地になりつつあります。さようなら。

加藤かんたん会計教室 収入

 昨日までは、貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)について述べました。今日から、損益計算書
(そんえきけいさんしょ)に移ります。
 損益計算書は、収入と費用に分かれます。そして、収入は、右手で取り扱います。収入で左手を使
うのは、返品のときに使うくらいです。
 例えば、家賃を店子が10万円持ってきました。この場合、仕訳は左手に「現金10万円」、右手に
「家賃収入10万円」です。バランスはとれています。
 また、商事会社が商品を3万円で売り、現金を得たとします。この場合、左手に「現金3万円」、右
手に「売上3万円」となります。
 簡単でしょう。現金については、以前ご説明いたしましたので、そこを再度お読みください。

加藤かんたん会計教室 費用

 損益計算書は、「収入」と「費用」に分かれます。収入は昨日お話いたしました。費用は今日お話い
たしますが、昨日と逆になります。左手に費用がきます。費用を右手で処理するのは、間違って処理
したのを直す時くらいです。仕訳で説明いたします。タクシー代を1000円現金で支払いました。これ
は、左手に「旅費交通費1000円」、右手に「現金1000円」となります。左右バランスはとれています。
ここで、「旅費交通費」という単語が出てきました。これは、会計専門用語なので覚えましょう。同じパ
ターンで次の取引も処理されます。
 給与を30万円現金で支払いました。左手に「給与30万円」、右手に「現金30万円」となります。
 お得意様にお中元として1万円の商品券を贈りました。左手に「交際費1万円」、右手に「現金1万円」
となります。
 電話代5000円を現金で支払いました。左手に「通信費5000円」、右手に「現金5000円」となります。
 電気代を15000円現金で支払いました。左手に「水道光熱費15000円」、右手に「現金15000円」と
なります。ここで、水道光熱費という単語を用いましたが、これも会計専門の用語ですので覚えまし
ょう。 今日は、ここまで。

加藤かんたん会計教室 例題

 仕訳の説明をしながら、貸借対照表と損益計算書の概要を説明いたしました。ここで、今までの説
明がどれだけ理解できているかのチェックをいたします。全て仕訳の例題です。
1. コンビニで切手を1000円で買い、現金で支払いました。
   通信費 1000円 / 現金 1000円
2. 取引先の田中氏と会い、喫茶店でコーヒーを飲み現金で800円支払う。
   接待交際費  800円 / 現金  800円
3. 商品を50万円で仕入れ、小切手で支払う。
   仕入  50万円  /  当座預金  50万円
4. 昨日仕入れた商品が70万円で全て現金売りできた。
   現金  70万円  /  売上     70万円
5. 自動車税45000円を現金で支払う。
   租税公課 45000円  /  現金  45000円
6. 携帯電話代25000円が普通預金から引き落とされました。
   通信費   25000円  /  普通預金  25000円
7. 新聞代4000円を現金で支払いました。
   図書新聞費  4000円  /  現金  4000円
8. 電車賃500円を現金で支払いました。
   旅費交通費  500円  /  現金  500円

 日常よく使われるであろう取引を例示いたしました。左手・右手の感覚ですらすらと仕訳が出来れ
ばOKです。出来なかった人は、裏技があります。それは、自分の使う取引と仕訳を丸暗記すること
です。紙に書いて、机の上に貼っておきましょう。簿記の検定試験を受けるために勉強しているので
はありません。
 この教室の目的は実務が出来ることです。あきらめずに続けて勉強しましょう。

加藤かんたん会計教室  雑談

 仕訳についていろいろ勉強しましたが、これが簿記の基本となるところです。常に左手と右手のバ
ランスがとれていることが大切です。バランスがとれているから内部けん制機能が自動的に働きま
す。単式誤記では、この機能がありません。ここが複式簿記の優れているところです。
 昨日も申し上げましたが、我々は簿記の検定に合格するために、勉強しているのではありません。
各自の仕事に必要なところだけを理解して仕事に役立てればよいのです。
 明日から、少し個別の内容に入りますが、全てを理解しようと思いますと、疲れてしまいます。「
分の仕事に役立つところだけを理解する
」と言う気持ちは、気分的にも楽ですし、覚えも早くなります。

加藤かんたん会計教室 取引

 仕訳の理解が終わりましたので、次のステップに移ります。
 商売は、もとで(資本金)からはじまります。習った仕訳を取り入れて説明していきます。
 借方(左手)と貸方(右手)に注意しながら読んでください。
現金20万円で商売を始めました。
現金 20万円 / 資本金(元手) 20万円
今は、全部借入で商売を始めることも可能です。そうなりますと、上記仕訳はこうなります。
現金 20万円 /  借入金  20万円
次に、事務所を借りました。家賃6万円に敷金5万円です。関東と関西では敷金等に違いがあるよう
ですが、それは無視をしまして仕訳をしますと、
家賃 6万円 /  現金  6万円
敷金 5万円 /  現金  5万円

次に、自宅から事務所まで定期を買いました。定期代は月3000円です。
旅費交通費 3000円  /  現金  3000円
委託商品が売れ、委託手数料(売上)10万円が現金で入りました。
現金 10万円  /  売上  10万円

このように、商売上の取引は全て仕訳で表現できます。

加藤かんたん会計教室 振替伝票 

 伝票には、入金伝票・出金伝票と振替伝票があります。入金伝票と出金伝票は、現金の出入りに
基づき伝票を作成します。ここでは、貸方・借方の認識は必要ありません。出金伝票は、お金の出を
示します。
支払った内容で資産項目か経費項目かを判断します。入金伝票は、収入か借入金・買掛金の増加
です。
 でも、振替伝票になりますと、少し難しくなります。ここでは、借方・貸方の区別が重要です。現金
の出入りを伴う取引のみならず、現金の出入りを伴わない取引も振替伝票に記入できます。
 仕訳には、単純仕訳と複合仕訳があります。振替伝票は、この複合仕訳を書くのに便利です。しか
し、仕訳は、全て単純仕訳で書けることになっています。単純仕訳とは、1行づつ仕訳をすることです。
 1行づつ金額のバランスがとれていることです。複合仕訳で代表するのが、給与の仕訳です。でも、
これも1行づつ分解できます。
 例)給与総額が400万円、健康保険預り金30万円、厚生年金預り金50万円、労働保険預り金10万
円、源泉税預り金25万円、住民税預り金15万円で支払い金額270万円でした。それから交通費2万
円支払いました。
  給与 400万円  /  健康保険預り金  30万円
  旅費交通費 2万円 /  厚生年金預り金  50万円
              /  労働保険預り金  10万円
              /  源泉税預り金    25万円
              /  住民税預り金    15万円
              /  現金         272万円

これを、複合仕訳ですと借方は1つで書けますが、単純仕訳ですと次のようになります。
 給与 30万円  /  健康保険預り金  30万円
 給与 50万円  /  厚生年金預り金  50万円
 給与 10万円  /  労働保険預り金  10万円
 給与 25万円  /  源泉預り金     25万円
 給与 15万円  /  住民税預り金    15万円
 給与 270万円  /  現金        270万円
旅費交通費 2万円 /  現金          2万円

どちらも、正しい処理です。書く量が少ないのが複合仕訳です。どちらも、振替伝票に書けます。

加藤かんたん会計教室 勘定科目

 仕訳の勉強は、英語の勉強と似ています。どこが似ているかと申しますと、短いフレーズを覚える
ところが似ています。仕訳では、短いフレーズとは簡単な取引を意味します。簡単な取引に基づく仕
訳を多く覚えると理解につながります。ここでは、試験勉強ではないので、自分がよく使う取引を覚え
ることが理解の近道になります。
 ところで、仕訳をたくさん覚えていきますと、壁にあたります。その壁とは、勘定科目の性質(属性)
です。
 これは、カテゴリー別に分けると簡単です。資産・負債・純資産・収入・費用の区別です。これも、自
分が使う勘定科目がどこに入るのかを表にしますと、理解が早くなります。恐らく、30も覚えなくても
良いでしょう。
 このようにしていけば、試験には合格しなくても、実務では十分対応できます。

加藤かんたん会計教室 売上の仕訳

 また、仕訳を書きます。「あー、もう退屈」という方は、飛ばしていただいて結構です。
 今日は、50万円の売上があった。でも、掛売りです。というとき、仕訳は、
売掛金  50万円 / 売上  50万円 
となります。借方は、「現金」ではありません。掛売りとは、常連さんにそのつどお金をいただかずに、
月末にまとめて請求する取引形態です。翌月、入金になりますと、
普通預金 50万円 /  売掛金  50万円
というようになります。
この場合、50万円全額支払っていますが、半分しか払らわづに、残り半分を手形で払うときもありま
す。その場合は、
普通預金 25万円   /  売掛金 25万円
受取手形 25万円   /  売掛金 25万円

となります。
 来客がありましたので、この続きは明日にいたします。

加藤かんたん会計教室  売掛金

 昨日は、掛売りのところで終わりました。現金商売でないところは、ほとんど 売掛金 / 売上 の仕
訳になります。小さな企業では、受取手形をいただくことは、あまりないでしょう。取引を1ヶ月の中でな
んども行うところは、納品伝票を作成して、締め日に納品伝票をまとめて請求書を作成します。簿記で
は、この請求書に基づき仕訳を起こします。納品伝票は、売上先別の補助簿を設けて記入しますが、こ
れに基づいて仕訳を起こすことはありません。

加藤かんたん会計教室 割引手形の処理

 手形を割り引きますと、今まで割り引かれた金額は、「支払割引手数料」を利用して処理していまし
た。でも、そうではなくて、「手形を売却したことにしなさい」というように変わりました。それゆえ、「手
形譲渡損」が発生します。「支払割引手数料」が、「手形譲渡損」に変わります。その手形が不渡りに
なり、手形金額の支払いを求められますと、「不渡手形」となります。どちらで処理をしましても、損益
には影響しませんが、会計の流れにあわせていきましょう。

加藤かんたん会計教室  仕入れ

 先日は、売上(得意先)別の補助簿について、説明いたしました。市販のコンピュータソフトでは、販
売管理ソフトとか称して売っています。請求書作成ソフトです。このソフトと、経理ソフトを組み合わせ
て統合ソフトとか言っています。要は、売掛金 / 売上 という仕訳を自動的にさせるだけです。消費
税の関係で、上手く連動しない場合もあると聞いています。
 これと、同様なことが「仕入れ」にも該当します。現金仕入れしかないところでは、 仕入 / 現金 
という仕訳でOKです。しかし、何度も繰り返し買うところでは、掛買いが行われます。いわゆる「ツケ」
です。1ヶ月分をまとめて、請求書が送られてきます。この請求書に基づいて、 仕入 / 買掛金
という仕訳をおこします。ツケで買うときは、必ず納入業者は商品と納品伝票を置いていきます。お店
では、これを仕入先別の補助簿を設けて記帳することになります。記帳をしなくても、仕入先別に綴じ
込んで、相手先から来た請求書と照合する必要があります。市販のコンピュータソフトでは、仕入管理
ソフトと称しています。これも統合ソフトとして組み込まれています。また売上の場合と同様に、手形を
利用することもあり
ますが、あまり利用はされていません。
今日は、仕入 / 現金
     仕入  / 買掛金

この2つを覚えましょう。仕入は損益計算書の項目で、現金・買掛金は貸借対照表の項目です。 

加藤かんたん会計教室 経費 

 お盆休みに入られた方も多いでしょう。でも、教室は開講しています。
 今日は、経費についてお話いたします。実務でよく使う勘定科目は、役員報酬・給与・賞与・福利
厚生費・法定福利費・旅費交通費・通信費・消耗品費・支払保険料・支払利息・減価償却費・交際費・
雑費
でしょう。13個あります。でも、役員報酬と給与と賞与は、1本にして全て給与でもかまいません。
摘要欄にそれぞれ内容を記述すればよいことです。また、福利厚生費と法定福利費をまとめて、福利
厚生費1本で表示してもかまいません。
 そうなりますと、3個減らされて10個になります。これらは全て、損益計算書の項目です。10個くら
い覚えられますよね。また、借入がなければ、支払利息は発生しません。雑費はどこにも入れなかっ
たものを、取り扱う勘定科目です。あと、決算の時に出てきます貸倒引当金というのもあります。
 これらについて、あすから個々に取り扱っていきます。
 暑いですけれど頑張ってね。
 でも、これを冬に読まれる方は、暑くないですよね。

加藤かんたん会計教室 役員報酬 

 役員報酬は、給与でも良いのですが、従業員に出したものと、取締役・監査役に出したものと区別が
つきませんので好ましくない場合もあります。
 私のソフトを使われる方は、規模の小さい法人が多いと思いますので、新会社法では役員は1人でも
よく、従業員と社長の給与を分けることから生じる効果は少ないでしょう。役員報酬を給与で処理しまし
ても、税法上問題はありません。ただ、中小企業会計基準には準拠していないことは事実です。銀行借
入が必要とか経営審査が必要とされる法人は、中小企業会計基準に準拠されたほうが良いでしょう。
 

加藤かんたん会計教室 給与

 今日は、「給与」について勉強しましょう。役員報酬・賞与・雑給どれも同じような処理になります。借
方(左手)に「給与」がきます。貸方(右手)は「現金」か「預り金」です。預り金は、補助簿を設けて「健
康保険預り金」「厚生年金預り金」「労働保険預り金」「源泉税預り金」「住民税預り金」に分けることが
できます。分けることにより、預かり漏れ、支払い漏れがすぐに分かります。源泉税は、扶養控除届出
書を従業員に毎年書いてもらい、それに基づいて源泉税を計算してください。住民税は、市役所から1
年間の住民税の通知がきますので、それに基づいて預り金を記入してください。労働保険は、交通費
を含めた給与総額を一般保険料額表に照らし合わせて預り金を求めてください。健康保険と厚生年金
は、社会保険事務所から送られてきます標準報酬月額に基づき預り金を求めてください。
 このように書きますと、これは大変だということになります。それを助けるのが給与ソフトです。給与
計算は、これを使えば誤りなくできます。給与ソフトと会計ソフトを合わせた統合ソフトもあります。但
し、振替伝票が要らない程度で、統合といえるものではありません。
覚える仕訳
   給与  /  預り金
   給与  /  現金
   旅費交通費 / 現金

最後の旅費交通費が、定期代のことです。給与に含めないで「旅費交通費」として処理します。

加藤かんたん会計教室 賞与

 今日は、賞与について説明します。賞与は役員賞与と従業員賞与に分けられます。その理由は、役員
賞与が税法上、損金不算入であるからです。でも、今年から事前届出制が設けられまして、役員賞与も
利益操作でないことを条件に損金算入できるようになりました。
 賞与に係わる仕訳です。覚えてください。
  賞与  /  現金
  賞与  /  預り金

源泉税の預り金は、税額表から求めてください。住民税の預かりはありません。
事前届出は、定時株主総会日までに税務署に提出してください。

加藤かんたん会計 実践簿記教室  法定福利費

 教室の名称を「実践簿記教室」にしました。単に簿記の講義ではなく、税理士事務所で日々行われて
います事務手続きと簿記を絡めての講義です。全て、実務に役立ちます。その分、理論性が省略されて
います。ここは、簿記検定試験のための講義ではないのでご容赦ください。
 法定福利費は、明日述べます「福利厚生費」として処理しても結構です。取引の内容は、社会保険料
の支払いです。
 月末に、社会保険料が自動引き落としされます。例えば、50万円引き落とされますと仕訳は次のよう
になります。
 法定福利費  /  普通預金    50万円
 預り金     /   法定福利費  24万円


 上記の「預り金」は、給与の時に預かった健康保険と厚生年金の分です。
 また、労働保険の支払いにも、法定福利費を使います。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 法定福利費その2 

 前回、「労働保険も法定福利費で処理します」と書いて終わりました。この労働保険の処理は難しいの
で、特別にここでご説明いたします。労働保険は、一般的に前払いです。但し労働保険を取り扱う事務
組合に事務処理を委託しますと、前払いがなくなります。労働保険に加入しますと、概算で労働保険の
申告書を作成し、その金額を納付します。労働保険は、労災と雇用保険から成ります。労災は全額企業
負担、雇用保険は、一部従業員負担です。
(負担率は業種により異なる)このときに、例えば100万円支払ったとします。仕訳は、次のようになりま
す。
立替金 /  現金  20万円 (従業員負担部分)
法定福利費 / 現金 80万円 (企業負担部分)


毎月の給与の時に、雇用保険を預かります。
給与  /  預り金  15000円 (雇用保険料)

そして、3月31日で1年間の締めが行われ、4月頃に4月から来年の3月までの労働保険の申告書を
作成します。
この時、概算払いした労働保険を正しい金額で確定させます。そして、新1年間の概算労働保険を算出
します。

概算払い部分の精算は、次のようになります。
預り金  /  立替金  18万円
(現金   /  立替金   2万円)


但し、労働基準監督署はお金(2万円)を返しません。同時に計算しています新年度の概算払いに充当
します。
それゆえ、概算保険料が110万円ですと、仕訳は次のようになります。
立替金  /  現金  25万円
法定福利費  / 現金 83万円
法定福利費  / 立替金 2万円


少し難しかったですか。他に簡便な方法としましては、毎月の給与の支払い時に、
給与  /  立替金  15000円  と仕訳をしまして、すこしづつ立替金を減らしていき、最後(3月31日)
に立替金が残りますと、それが新年度の保険料に充当されます。逆に、立替金がなくなりますと、全て
法定福利費で処理されます。この方が簡単でしょう。結果的には同じになります。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 福利厚生費

 昨日は、労働保険の処理について、長々と述べました。福利厚生費は、従業員の福利厚生に係わるも
ので、お茶・コーヒー・ミルク・お砂糖・紅茶等が該当します。お誕生日会とか運動会を設けていれば、そ
れも福利厚生費になります。仕訳は、これを覚えましょう。
 福利厚生費 /  現金 

加藤かんたん会計 実践簿記教室 旅費交通費

 旅費交通費は、定期代とか出張の時の飛行機代・電車代・タクシー代・ホテル代等が該当します。中
小企業では、それほど出張も無いでしょうが、従業員に出張をさせるところは、旅費規程を作成していま
ところもあります。
 そのようなところでは、旅費規程に基づいて出張費を出しますので、必ずしも領収書がなくても経費に
なります。
仕訳はこれ1本です。
  旅費交通費  /  現金

加藤かんたん会計 実践簿記教室 接待交際費その1

 接待交際費は難しいです。お客様に対する接待は、当然該当します。仕入先はどうでしょうか。接待し
てもらうのは当方ですが、税法ではこの場合でも接待交際費になります。安く買うように買い叩く相手も
接待交際費の中に含めるのは、接待交際費に税法上支出限度額が設けられているからでしょう。限度
額を超える部分は、損金不算入になります。出来るだけ多く損金不算入にしたいのです。
 ところで、企業会計と税法を分けて考えようという風潮が出てきています。その流れに沿いますと、企
業会計に則して経理処理をすればよい事になります。但し、そこから生じた利益に税率を掛けても、正し
い税金は算出されません。経営者にとっては、不便な数字が表示されることになります。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 交際費その2

 昨日は、交際費には税法上限度がありますと書きましたが、これは法人税についてのことです。所得
税では限度はありませんが、なんでもかんでも認められるものではありません。
 経理処理は、税法とは関係なく企業会計に則して処理すれば良いのですが、あとで税務調整にかなり
の時間と労力を強いられます。
 今年からの新制度で、飲食5000円基準というものが出ました。1回1人5000円以下の飲食は、交際費
の限度枠とは別に損金処理できます。これらは、摘要欄にそれなりの事項をしっかり書き込んでおかな
いと認められません。
 税務調整では、交際費という勘定科目以外に会議費とか交通費に交際費に該当するものがあれば、
法人税の計算書(別表)で調整します。新たに仕訳をおこすことはありません

加藤かんたん会計 実践簿記教室 支払保険料

 簿記の試験では、話題にもならないくらいの勘定科目ですが、実務では難しい処理となります。保険
の種類によって、会計処理が異なります。各生命保険会社が、新商品を作るたびに、その処理について
検討する必要があります。一般的には、生命保険会社が「保険料経理処理案内サービス」を文書で行っ
てくれます。そこに書かれた仕訳をすれば良いのです。兎に角、契約しました保険の内容で、仕訳が異
なることを覚えておいてください。
   支払保険料  /  現金
という単純な仕訳になる場合もありますが、資産計上(積み立て保険)しなければならない場合もありま
す。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 広告宣伝費

 新聞広告・電柱広告・看板・電話帳広告・バナー広告等いろいろ広告があります。電話帳広告は、電
話使用料とまとめて送られてくる場合があり、通信費として処理してしまうことがありますので気をつけま
しょう。また、おせんべいとかお饅頭に企業名を入れますと、交際費ではなく広告宣伝費になります。
ボールペン・タオル等も同様です。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 通信費

 通信費は、電話代・切手代が主なものです。たまに、電話代に、電話帳の広告代が紛れ込むことがあ
ります。通信費は、月々の支払いを比較できるように、他の項目が入らないように気をつけましょう。携
帯電話の普及で、従業員がプライベイトで使う場合もあり、経営者として十分管理すべきところです。
 切手代に紛れ込みやすいものが、収入印紙です。郵便局で切手といっしょに買いますと、ついうっかり
切手代として全て通信費にしたりします。収入印紙は、租税公課です。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 水道光熱費

 水道光熱費は、電気代・水道代・ガス代等によって構成されます。水道代は2ケ月に1回の支払いにな
ります。検針の時と支払いの時とで、時間差が生じますが、継続して同じ条件で処理されている限り問
題は生じません。
 家賃に含まれている場合もありますが、経費の管理と言う面からは、区分けして処理するのが良いで
しょう。
 暖房で灯油を使うところでは、ガソリンスタンドの請求と一緒に処理されているところもあります。でき
れば、区分されることをお勧めします。
 仕訳は  水道光熱費  /  現金   です。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 荷造運賃費

 通信販売とかオークションをされている方は、必ず送料が問題になります。金額も大きくなりますの
で、荷造運賃費は新たな勘定科目として設定して、他の勘定科目と区分して経費処理をすべきです。送
料が相手負担でも、送料込みの金額をいただいていますので、総額を売上として計上し、送料分を荷造
運賃費として計上すべきです。これを相殺した金額で売上計上しますと、消費税のところで問題となる
場合があります。総額で処理する習慣をつけましょう。

      現金   /  売上
      荷造運賃費  /  現金

加藤かんたん会計 実践簿記教室 外注費

 外注費は、いろいろなところで使われます。例えば、税理士事務所に記帳をお願いします。会社側か
ら見ますと記帳業務をお願いしているので外注費になります。でも、税理士は顧問契約を結んで「顧問
料」という勘定科目を使います。
 これは、顧問の仕事の中に「記帳」だけでなく「相談」も含まれるからです。記帳は、業務の請負になっ
ているから外注費になります。
 外注費で処理しますときに、源泉税が発生することがあります。支払った翌月の10日までに預かった
源泉税を納付する義務が生じます。どれが、源泉税が発生するかは、源泉税の納付書の裏に書いてあ
ります。この場合使う納付書は、給与所得の納付書だけでなく、「報酬・料金」の納付書も参考にしてくだ
さい。

外注費  /  現金
現金   /  預り金

加藤かんたん会計 実践簿記教室 地代家賃 

 お店とか事務所を借りますと、必ず地代とか家賃が発生します。貸主が個人(親戚)ですと、「只」で貸
すこともありますが、例外的なケースです。地代家賃を処理するには、賃貸借契約書を見ましょう。関西
と関東では、権利金とか保証金のところで契約内容(商慣習)が異なるようです。貸主に預けたお金か、
そうでないのかを見極めましょう。返していただけないお金は、経費性があります。1度に費用になる
か、契約年数で費用になるかの違いが生じます。
 次に、毎月の地代家賃の支払いですが、ほとんどが前払いです。また、水道光熱費とか屋外看板代と
して広告宣伝費が家賃と一緒の請求書に書いてあります。
 税務上は、全て費用なので、どれで処理しましても同じですが、経営の資料にするには区分すべきです。

地代家賃    /  現金
水道光熱費  /  現金
広告宣伝費  /  現金


地代家賃を前払いとして正確に処理しますと、
前払費用   /   現金
地代家賃   /   前払費用
 
となります。但し、決算の時に調整する方が簡単でしょう。

加藤かんたん教室 実践簿記教室 租税公課

 租税公課とは、簡単に言いますと税金のことです。ただ、損益計算書の下部に「法人税等」という勘定
科目があります。
 その勘定科目との兼ね合いも含めてご理解ください。
 租税公課に入るものは、固定資産税・印紙代・消費税・自動車税が中心です。以前は、事業税・預金
利息の源泉税
もここに入っていましたが、現在は「法人税等」で処理しています。
 法人の決算を行う場合、租税公課の内訳(内訳というよりも別表5-2)が必要です。そのため、そのとき
の処理が楽になるように、租税公課の摘要欄に内容を正確に書くようにしましょう。

 租税公課  /  現金

加藤かんたん教室 実践簿記教室 寄附金

 個人では、寄附金は使いません。その理由は、個人では寄附金控除として所得控除されますので、経
費処理をしますと2重引きになるからです。
 法人では、寄附金は使われますが、ほとんど損金不算入になります。税法上認められたものしか費用
になりません。税金を計算しますときに、別表4で加算されます。税務調査で、寄附金扱いされたものは
追徴課税されます。そういう意味で、日常はあまり使われません。寄附金が費用になるには、その証明
書を相手先からいただくようにしましょう。

寄附金  /  現金

加藤かんたん会計 実践簿記教室 修繕費

 これは、少し難しいです。それは、修繕費として全額費用計上なのか、それとも資産計上して減価償却
で費用となるかの判断を求められます。金額が大きくても、その資産の機能がアップしていない限り修
繕です。例示としまして、木製の窓枠をアルミ製に取り替えた場合は、修繕ではなく資産計上することに
なります。そして建物の耐用年数で償却することになります。
 ここで私が述べていますのは、税法上のことです。会計上では、修繕と判断すれば修繕費として処理
すれば良いのです。
 税務調整で調整すればその点は解決されます。それゆえ、修繕費の摘要欄には、具体的に内容を記
述しておくことが望ましいです。また、請求書等も大切に保存しておきましょう。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 リース料

 リース契約は、契約書をよく読むことが大切です。営業マンは、なんでもリース契約にする傾向があり
ます。社内での成績に影響するのでしょうか。リース契約書をよく読みますと、リースに馴染まない物件
までもが、リース契約になっています。単なる分割払いと思えるものも多くあります。リースになります
と、所有権はリース会社にあります。それゆえ、償却資産税はリース会社が払います。特によくある例
が、事務机・パティーション・応接セット・文具用品等のリース契約です。一括して買い、その支払いをリ
ースにしているのですが、個々の管理が出来ない消耗品は、そもそもリース物件になりません。このよ
うな場合は、未払金で処理します。
リースに該当する場合  
  リース料  /   現金

リースに該当しない場合
  消耗品費  /   未払金
  器具備品  /   未払金
  車両運搬具 /   未払金


 また、中小企業会計基準では、原則として売買として処理することとしています。但し、零細企業では、
賃借料として計上しても良いことになっています。売買にしますと、消費税のところで賃借料とした場合
よりも差異が生じます。よく考えて処理をしてください。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 消耗品費

 消耗品費は、よく使う勘定科目です。この勘定科目の合計金額が大きくなりすぎますと、事務用品費
とか、別のふさわしい勘定科目を作るのも1つの方法です。医院の場合は、医療用消耗品費などを作り
ます。出来るだけ使途が分かりやすいネーミングが良いでしょう。

    消耗品費  /  現金

加藤かんたん会計 実践簿記教室 車両費 

 車に係わる経費の多い企業は、車両費という勘定科目を設定しますと、経費の無駄使いをチェックで
きます。車両費の中身は、主にガソリン代が多いでしょう。個人の場合、確定申告で使用する決算書の
雛形が決まっていますので、新たな勘定科目の設定は、空欄の数しかできません。でも、法人の場合
、雛形はありませんので自由に設定できます。一度設定しますと、継続して使われることをお薦めいたし
ます。

    車両費   /   現金

加藤かんたん会計 実践簿記教室 雑費

 雑費という勘定科目は、どこにも相応しい勘定科目が無い場合に使います。それゆえ、なんでもかん
でも雑費で処理する人もいます。そうなりますと、雑費の金額が大きくなりすぎて、バランスの悪い試算
表になります。慣れないうちは、とかく雑費を多く使いますので、気をつけましょう。決算のときに、1年分
を振り返って見て、雑費の金額が多き過ぎますと他の勘定科目に振替ましょう。
         雑費  /   現金

加藤かんたん会計 実践簿記教室 売上その1

 さあ、いよいよ難しいところに入っていきますよ。売上は、重要なポイントです。それは、収入の確定と
いう作業だからです。この論点だけでも数日必要です。出来るだけ分かり易く説明いたしますので、お付
き合いください。
 原則は、引渡した段階で売上を計上いたします。お金はあとでいただくにしましても、商品が相手さん
の手に渡ると売上計上しなければなりません。宅配を使って送る場合は、出荷した段階で売上計上しな
ければなりません。商品の入れ間違い等で返品を受けますと、そのつど返品の仕訳をおこします。
現金で売りますと仕訳は次のようになります。
  現金  /  売上
継続して何度も売る場合の仕訳は次のようになります。
  売掛金  /  売上
返品がある場合の仕訳は次のようになります。
 売上返品  /  売掛金

売上の計上時期を決算月で間違えますと、申告漏れになります。十分気をつけましょう。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 販売基準

 昨日は、売上計上時点としまして引渡し基準を挙げました。ほとんど、この基準で対応できますが、こ
の基準以外にも、販売基準としまして、船荷基準・通関基準(輸出の場合)・出荷基準・検収基準があり
ます。店舗でお客に直接販売する場合は、出荷・引渡し・検収基準が瞬時に適用されていますが、宅配
で商品を送る場合は、出荷基準となります。企業によってどの基準を採用するかは自由ですが、利益操
作の余地が入らないように一度採用しますと継続して適用することが必要になります。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 売上の質問

 読者から質問がありました。「オークションで販売していますが、売上計上時期はいつですか。」
 オークションの場合、ほとんどお金をいただいてから、出荷します。ですから、お金をいただいた時点で
は「前受金」です。そして、宅配で商品を送った段階で、「売上」を計上します。


  現金  /  前受金
 前受金  /  売上


加藤かんたん会計 実践簿記教室 売上の質問(続) 

 オークションで物品販売をしていますが、送料を落札者負担として、落札代金に加算して振り込んでも
らっています。
 振り込み料は、落札者負担です。この場合、落札代金だけを売上に計上すれば良いのでしょうかとい
う質問です。
 送料は、距離によっては2000円ほどかかる場合もあります。クロネコヤマトの着払いにしますと、送料
を預かることもありませんので、落札代金だけを売上にあげます。
 しかし、送料を含めて落札代金を振り込んでもらうシステムですと、処理が次のようになります。送料
と称して少しでも利益に上乗せする場合は、総額が売上になります。仕訳で示しますと次のようになりま
す。

       現金   /    前受金
       前受金   /   売上
       運賃     /  前受金


 でも、送料を預かった金額で、そのまま支払う場合は単なる「預り金」になります。仕訳で示しますと次
のようになります。
       現金   /   前受金
       現金   /   預り金 (運賃分)   
      前受金   /   売上
      預り金   /   現金 (運賃分)


 この辺りは、昨日述べましたように、消費税の課税業者になるか否かの境目になる場合もあります。
要注意です。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 売上計上時期

 売上の計上時期が厳密に問題となりますのは、期末に帳面を締めるときです。企業は継続しています
ので、今日売上に計上しようと、明日売上に計上しようと大して変わりがありませんが、税務上、利益が
変わってきますので、申告漏れとして指摘されることになります。それゆえ、期末の会計処理は厳密に
しましょう。
 また、消費税の関係で、売上が1000万円を超えるか否かが問題となります。それゆえ、余計に重要な
ポイントになります。実務上、よくミスをしますのは、クレジットによる販売です。クレジット会社からは月
に2回ほどまとめて入金があります。
 その入金は15日ほど遅れて銀行口座に振込まれます。内容をよくチェックしないと、期末までの売上
がその中に含まれている場合があります。また、クレジット会社も複数ありますと、それぞれ締め日が異
なります。1つ1つ確認する必要があります。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 売上その2

 検定簿記のテキストでは、売上のところで、割賦販売とか工事進行基準とか耳慣れない言葉が出てき
ます。理論的知識としては必要ですが、実務ではほとんど使いません。無視していただいて結構です。
 消費税が課税事業者になっていますと、税抜きで売上を計上してください。
       現金  /  売上
       現金  /  仮受消費税


免税事業者では税込みで売上を計上してください。
       現金  /  売上

 簡易課税事業者は、売り上げを区分することなく計上するよりも、売上の内容(卸売・小売等)に応じて、5種類に区分して売上を計上している方が、申告のときに助かります。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 雑収入

 消費税の課税事業者か否かは、売上だけでなく、雑収入とか事業用の固定資産売却に伴う売上も含
めて計算します。
 特に、固定資産は売却損が出ても、売上はいくらか計上されますので、漏れなく計算しましょう。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 仕入

 仕入は、売上と密接にかかわっています。仕入れたものを売るのが商売です。仕入れていても売れな
いと、仕入れたものは、「期末商品」として残ります。売上は計上されません。そして在庫として「商品」
勘定に計上されます。
 ここで、期末商品勘定と商品勘定の2つが出てきました。それぞれ全く異なります。期末商品勘定は、
損益計算書に計上します。商品勘定は、貸借対照表に計上します。金額は同額です。そして、翌期に
「商品」勘定が「期首商品」に振り返られます。この3つの勘定科目が使われて、収益と費用が対応する
ように仕組まれています。この関係は、理解するのに少し時間がかかります。
 極端な例を挙げます。1000円で仕入れましたが、全く売れづに期末になりました。
  仕入  /   現金        1000円
  商品   /  期末商品     1000円


翌期にする仕訳

  期首商品  /   商品     1000円

このあたりを、数日かけてお話いたします。
今日は、ここまで。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 仕入その2 

 実務ではどのように処理されているのかな。散髪屋さんを例に挙げてみよう。散髪屋さんでは、整髪料
(トニック・リキッド・ヘアクリーム)を販売するのでもなく、ほとんど店で整髪するときに使うだけです。髭
剃り後のクリームも同様です。
 この様な場合は、貯蔵品(貸借対照表)に計上して、使用するたびに消耗品費に振替えられます。購
入量が少ないのであれば、直接「消耗品費」として処理して結構です。
 仕入を使わないお店としましては、不動産屋さんなどがあります。仲介料とか管理料がほとんどです
ので、仕入は生じません。生保・損保の保険代理店も同様です。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 仕入その3

 「仕入が、どうして商品と期首商品と期末商品との組み合わせになるのですか」という質問を受けまし
た。兎に角、仕入れたものは仕入です。ただ、決算のときに商品と期首商品と期末商品との組み合わが
問題になります。仕入と期首商品と期末商品は損益計算書の勘定科目で、商品だけが貸借対照表の
勘定科目です。
    商品  /  期末商品  
という仕訳は、期末在庫の数字を計上することを意味します。貸借対照表の勘定科目と、損益計算書の
勘定科目をつなげることによって、バランスが取れるのです。このバランスが大切です。貸借対照表の
利益と損益計算書の利益は一致します。
 これが、内部牽制システムと呼ばれるゆえんです。期首に次の仕訳を入力するのもその表れです。
    期首商品  /   商品

損益計算書では、次のように表示されます。
    期首商品 + 当期仕入 - 期末商品 = 売上原価

この売上原価が、売上に対応します。
費用と収益が対応しているのです。
今日は、かなり難しいかったですね。お疲れ様。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 自動牽制システム

 複式簿記には、自動牽制システムが働いています。それは、次のようなルールで仕訳を作成している
からです。貸借対照表も損益計算書も借方と貸方があります。借方の項目が増えますと、貸方の項目
が増えるか、又は借方の項目が減らなければいけません。その増額と減額は同じでなければなりませ
ん。同様に、借方の項目が減りますと、貸方の項目が減るか、又は借方の項目が増えなければいけま
せん。
 また、逆に貸方の項目の増加と減少も同様です。このルールを守って仕訳をしていますので、常にバ
ランスがとれています。
 バランスが合わないのは、仕訳に誤りがあると言うことです。
 このシステムが理解しにくい人は、嘆く必要はありません。多くの仕訳に遭遇することによって、自然と
このシステムが身についてしまいます。
 一度身につきますと、なかなか忘れません。自転車に乗るのと同じ感覚です。乗れるようになります
と、乗り方を忘れることはありません。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 自動牽制その2

 昨日は、少し難しいお話でした。そこで、もう少し分かり易くお話いたします。大学ノートに縦線を7セン
チ間隔で2本入れてください。3分割できましたね。真ん中の欄に勘定科目を書きます。まず、貸借対照
表の資産項目それから損益計算書の費用項目、次に貸借対照表の負債・資本項目それから損益計算
書の収入項目です。それから、この欄の右側が貸方金額で左側が借方金額を記入する欄です。資産・
費用は、金額を借方に記入します。負債・資本・収入は、金額を貸方に記入します。
 そこで、話を進めます。資産・費用の項目が増加しますと、同じところの項目が減少するか、または負
債・資本・収入の項目が増加しなければいけません。
 これは、逆の場合は、資産・費用の項目が減少しますと、同じところの項目が増加するか、または負債
・資本・収入の項目が減少しなければいけません。
 例えば、現金が増えて、普通預金も増えるということはありえないということを言っています。それはど
ちらも、資産項目だからです。
 お分かりいただけましたでしょうか。

加藤かんたん会計 実践簿記教室  消費税と簿記

 消費税が導入されましてから、記帳が難しくなりました。簡易課税では、簡単ですが、売上の区分が
数種類にまたがる場合は、それぞれに分けて入力する必要があります。そうしないと、消費税を計算す
るときに、再度売る上げの内容をチェックしなければならなくなります。売上の区分とは、卸売り・小売・
製造売り・サービス売り・その他の売りというように5種類の事業に分かれます。
 また、一般課税の場合は、消費税を個別に計算することとしますと、コンピュータの力を借りることなく
計算をすることは難しいです。さらに、ここの取引が課税取引なのか非課税取引なのか不課税取引な
のかを見極めるのは、税法の理解と経験を必要としますので、専門家にお願いされますことをお薦めい
たします。消費税における記帳は、取引があるたびに行うこととされていますので、一般課税を選択され
ていますかたはご注意ください。

加藤かんたん会計 実践簿記教室  減価償却費その1

 「減価償却とは、何かな」と思われる方も多いでしょう。ここでは、数日に渡りお話いたします。費用配
分の観点から取り入れられた費用です。
 ほとんどの物は、購入した段階で全額費用になります。でも、高額な耐久性のある物は、それを使うこ
とによって、長い間収入を上げるのに貢献します。
 収益を上げるのに貢献した費用が、減価償却費として計算されているのです。
 簡単な例を挙げます。
 期末に1000万円でベンツを1台買いました。減価償却という概念がないのでしたら、全額経費になりま
す。1000万円の利益があるときに、期末に1000万円の経費が出来て、利益がゼロになります。でも、こ
のベンツは、翌年も次の翌年も仕事に使えます。何年使えるかは、使用頻度によりますが、10年ほどは
使えます。10年ほど収益を上げるのに貢献しているにもかかわらず、初年度に全額経費になるのはお
かしいのではないかということです。費用と収益が対応していないということになります。
 そこで、耐用年数というものを導入いたしました。耐用年数とは、使用に耐えうる年数と言う意味です。
ベンツが6年間使えるのでしたら、耐用年数を6年とすることになります。企業で任意に決めることができ
ます。ただ、税法上は課税の公平性を保つために、法定耐用年数というものを決めています。
 企業が決めた耐用年数と法定耐用年数が異なる場合は、申告調整で直します。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 減価償却その2

 減価償却が、費用配分という考え方から採用されているということはご理解いただけましたでしょうか。
実務では、税法が必ず入ってきまして、購入金額が10万円以下(30万円以下の場合もあります)であれ
ば、5年使えても購入時点で全額損金算入してもよいとかの基準があり、純粋な会計とは離れてしまい
ます。本講義は実践を重視しますので、税法と合わせて会計処理を選択してくださいということにいたし
ます。また、税法では3年間(3事業年度)に分けて均等に減価償却することも認めています。
 例えば、10月締めの法人が、月末に18万円でデジタルカメラを買いました。今期は1ヶ月も経たない内
に終わりますが、18÷3=6万円減価償却費を計上できます。翌期も6万円計上して、翌翌期にも6万円
計上して終わります。月割り計算しなくても良いと税法が定めているのです。
 会計理論としてのみ、簿記を捉えたのでは、実務では通用しません。この講義は簿記検定試験の方
のために開かれているのではないので、その点を十分ご理解ください。検定試験のための方は、この講
義を聞かないほうが試験にとおります。合格してから、この講義を受けてください。
 経営者は、実務の知識もあるあなたを快く雇ってくれます。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 減価償却その3

 今日は、息抜きの授業です。減価償却に係わる雑談です。この間、本屋に行きました。売れている本
ということで、よく目に付くコーナーに置かれている本は、「経営者は何故、中古のベンツを買うのか」とい
うことが書かれていました。職業柄、興味がありましたので目を通しましたが、減価償却の十分理解でき
ている方には、過ちがすぐに分かる程度の本でした。
 その本では、何故、経営者が中古のベンツを買うかと言いますと、「節税対策」だそうです。では、何
故、中古のベンツが節税対策になるのでしょうか。
 減価償却費は,取得価格と耐用年数で計算されます。取得価格は多ければ多いほど、減価償却費は多
くなります。
 次に耐用年数です。
 耐用年数は、税法で決められています。新車の乗用車は6年です。中古は、特別な計算をします。例
えば3年経過していますと耐用年数は4年になります。既に6年経過していますと、耐用年数は2年と決め
られています。
 例えば、新車で800万円のベンツを、3年落ちで400万円で買ったとします。
 減価償却費は次のようになります。(定率法採用)
800万円×0.319=255.2万円
400万円×0.438=175.2万円
 当然、新車を買った方が節税になります。経営者が、中古のベンツを買うのは節税ではなく、「見栄」を
張っているだけなのです。
 本来は、新車のベンツに乗りたいが、お金が無いので中古のベンツにしたと言うことです。何でも節税
と書くと、本が売れるので利用されただけのことでした。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 定額法と定率法

 減価償却の仕方は、いろいろありますが、実務では「定額法」と「定率法」をマスターすれば十分です。
また、理論バカにならないように、実務での処理方法をしっかり習得いたしましょう。
 定額法は、取得価格・耐用年数・残存価格をもって計算されます。
 例えば、取得価格100万円・耐用年数10年・残存価格10万円の場合、計算は次のようになります。
(100万円ー10万円)÷10=9万円
 但し、税法では。(100万円ー10万円)×0.1=9万円というように計算します。
毎年10間にわたり9万円の減価償却が計上されます。
定率法は、取得価格・耐用年数をもって計算されます。
例えば、取得価格100万円・耐用年数10年の場合、次のようになります。
 1年目 100万円×0.206=206000円
 2年目 (100万円ー206000円)×0.206=163564円
というように、だんだん減価償却費が小さくなります。
 税法では、「減価償却資産の償却率表」というのがありまして、100年分の定額法と定率法の償却率が
定められています。これに基づき、計算いたします。既に示しました定額法のところでは、2つの計算方
法がありますが、実務では税法の計算方法を採用いたします。
 税法では、取得価格の5%まで償却を行うことができます。100万円ですと、帳簿価格が5万円になる
まで償却が可能です。
 また、建物は定額法しか認めないという法律もあります。
 所得税では、強制償却を行いますが、法人税では任意償却です。これも法律が定めるところです。明
日は、強制償却と任意償却について述べます。
(追加)
 法人の減価償却制度が平成19年4月1日以降変わりました。簡単に言いますと、早く償却できるように
なりました。
 また、残存価格は1円です。少し、システムは複雑ですので、国税庁のHPを参考にしてください。

加藤かんたん会計 実践簿記 強制償却と任意償却

 強制償却とは、税法上償却したとみなされるものです。確定申告で償却が漏れていましても、償却が
されていることになってます。個人の確定申告では、このように扱われています。申告書を提出したあ
と、税務調査があり減価償却をしていなかった場合、その分経費を増やしてもらえます。
 企業会計原則では、税法とは異なり、耐用年数も独自の年数で計算します。簿記の勉強ばかりして、
このような税法との係わり合いも勉強しておかないと実務では対応できません。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 間接法と直接法

 減価償却をした場合、資産計上している建物とか器具備品をどのように表示するかが問題になります。
   減価償却費 / 減価償却引当金
と仕訳するのが、間接法です。
資産には、取得価格が計上されます。
他方の、直接法では、
   減価償却費 / 建物
というように、引当金は使わずに建物の金額を減少させます。建物は、帳簿価格で表示されるようになります。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 繰延資産

 繰延資産は、会計上の繰延資産と会社法上の繰延資産と税法上の繰延資産があります。ここでは、
実践を学ぶためによく使うものだけを取り上げます。
 よく使われるものは、創立費・開業費・開発費(試験研究及び開発費)です。税法では、前述しました3
つの項目以外に、借入時の保証金・店舗を借りる時の権利金・自己が便益を受けるために支出した費用
(入会金)等があります。
 税法上の繰延資産は、長期前払費用として計上してください。
繰延資産に計上されたものは、月割り計算で償却します。
償却期間は、それぞれ異なります。
 あまり難しく考えますと、頭がいたくなりますので、この辺で終わりにします。繰延資産の償却には、残
存価格というのはありませんので、ご注意ください。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 未収収益 

 未収収益は、不動産所得などでよく出てきます。賃貸契約で毎月家賃が決まっていますが、店子が家
賃を支払わない場合に計上されます。仕訳は次のようになります。

    未収収益 / 受取家賃  100000円

 お金を受け取っていないにもかかわらず、収入として経常しなければなりません。そうしないと、税務
調査がありますと、収入漏れを指摘されます。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 前受収益

 不動産所得の場合、家賃収入は1ヶ月分前払いすることが多いです。例えば、11月の家賃は、10月
末までに振り込みます。契約書にも、その旨を書いてある場合が多いです。前受けした家賃をそのまま
収入に計上しましても、税務署は文句をいいませんが、正しくは前受収益として、1か月分を計上したほ
うが得です。毎月計上する必要もありませんが、決算月には、次のように計上しましょう。

    現金  /  前受収益   300000

前受収益は、負債です。翌期首には次のように仕訳をします。

    前受収益  /  売上   300000

加藤かんたん会計 実践簿記教室 前払費用

 前払費用は、まだサービスの提供を受けていないけれども、どうしてもサービスの提供を受けたい場
合に、前払する費用です。費用といいながら、資産に計上します。借入の場合に求められる保証金は、
契約期間にわたり均等償却します。
 それを仕訳で説明します。(100万円を5年返済で借ります。保証金は15万円)
現金  /  借入金  1,000,000円
前払費用  /  現金   150,000円

決算時に次の仕訳をします。
保証料   /  前払費用  30,000円
借入金   /  現金     200,000円
支払利息  /  現金     10,000円

加藤かんたん会計 実践簿記教室 未払費用

 未払費用は、サービスを受けたのに、まだお金を払っていない場合に計上します。例えば、家賃を支
払い忘れていた場合は、次のようになります。
   支払家賃  /  未払費用  300000円

プリンターを買ったけれど、まだ支払っていない場合は次のようになります。
   消耗品費 /  未払金  10500円

 未払金と未払費用の違いは、継続してサ-ビスの提供を受ける契約があるか否かです。少し難しいとこ
ろですが、税務上はどちらを使おうが課税利益に影響を与えません。個人企業では、あまり気にしない
で経理をしてください。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 たな卸

 たな卸とは、物品販売業者等が期末在庫の金額を確定する場合に行います。個人企業では、12月
31日が「たな卸実施日」になりますが、11月末締めの法人では、11月30日が「たな卸実施日」になり
ます。個人企業では、御用納めの時に年末年始休みに入るのでしたら、12月28日に「たな卸」をしても
良いのです。また、企業によっては、25日にしたほうが段取りが良いのでしたら、継続性を保つことを前
提で認められます。
 商品を保管している倉庫に行き、品名と数量を書き出します。金額は、単価と数量を掛けて計算します
が、単価は事前に税務署に届出してある方法を用います。一般的には、最終仕入原価法が用いられま
す。小売業者ですと、売価還元原価法が用いられます。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 最終仕入原価法

 実地たな卸をしまして、数量を確定します。その数量に単価を掛けますが、最終仕入原価法を採用し
ていますと、商品ごとに一番最後に仕入れた価格をその商品の単価にします。注意しないといけないこ
とは、箱単位の価格をバラの数量に掛けてしまうことが、たまにあります。その場合、在庫金額が膨らみ
ます。在庫金額が膨らみますと、利益が増えます。税金を余分に払うことになりますから、税務署はそ
れについては文句をいいません。
 ただ、在庫の計算誤りによって今期多く税金を払いますと、来期は税金が少なくなります。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 売価還元原価法 

 実地たな卸に係わるものですが、売価還元原価法というのがあります。簿記を勉強している方は、先
入先出法とか後入先出法とか移動平均法とか総平均法とかを理解されていますが、実務では前回述べ
ました最終仕入原価法と売価還元原価法がよく使われます。売価還元原価法は、小売業者に適用され
ます。売値合計と仕入値合計から原価率を求めて、売り値札で表示された在庫表の金額にその原価率
を掛けて在庫を求めます。実務から発生しました計算方法です。
 在庫の勉強は、実務では最終仕入原価法と売価還元原価法で十分です。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 個人の事業所得の締め日

 個人事業者の方は、法律で12月31日が締め日になっています。それゆえ、12月31日に近い日に
「たな卸」をしなければなりません。
 たな卸しの結果、在庫金額が大きいですと、利益は大きくなります。このあたりの理解は、少し勉強し
ていただかないと分りにくいです。
 また、今期の期末在庫は翌期の期首在庫になります。それゆえ、長期的には在庫の変動から生じる
利益は、平均化されます。

加藤かんたん会計 実践簿記教室 法人の事業年度(決算月

 法人は、定款で決算月を決めます。また、変更も可能です。株主総会で定款変更(決算月の変更)を
して、税務署等にその議事録のコピーを添付しますとOKです。登記事項ではありませんので、費用は
かかりません。但し、事業期間は12ヶ月を超えることはできません。

加藤かんたん会計 実践簿記教室  おわりに

 仕訳に係わる有料サポートとか、確定申告の有料サポート等を加藤かんたん会計の利用者に限定で
行っています。
 関心のございます方は、弊社までお電話をください。TEL 078-251-6621